大判例

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東京高等裁判所 昭和34年(う)1592号 判決

被告人 鷹野利男

〔抄 録〕

所論は、原判示第一の事実につき、原判決は窃盗罪の成立を認めたが、本件芝土は町道上に自生した芝であつて財物性を有せず、且つ、町当局により有効な管理がなされていなかつたものであるから、右芝土を採取するもこれに対し窃盗罪は成立し得ないものである、と主張する。しかし、町村道の管理権は当該町村にあり(道路法第一六条)、たとえ自生したとしてもその上に生育した芝がこれまた町村の管理に属すべきことは当然であり、しかも原判決引用の中山正雄の司法警察員に対する供述調書、中山正雄の原審証人尋問調書の各記載によると、芝は道路の土砂崩れを防止する効用があつて、町当局としては道路委員及び区長をして時々町道を見廻わらしめてその管理を実施し、昭和三三年三、四月頃には、町道上の芝土の盗難を防止するため、町内二ケ所に芝土の採取を禁ずる旨の立札を立てたことが認められる。右の如く、本件芝土は猿島町の管理に属し、且つ、有効に管理が実施されていたものであるから、これが刑法第二三五条所定の財物に該当することは論を俟たないところである。

(山本謹 渡辺好 目黒)

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